情報処理安全確保支援士とは?

情報処理安全確保支援士とは、2017年時点で唯一存在する情報処理関係の国家資格です。その特性から、国家資格として名刺などに肩書として記載し、登録番号でその資格の有効性を追跡することができます。ただ、医師や薬剤師のように、その資格を持っている人でないとできない職業は特にありません。情報セキュリティ系の認証試験としては、その前身として「情報セキュリティスペシャリスト試験」など、さまざまな資格が存在していましたが、国が認める明確な国家資格として設定される運びになり、情報処理安全確保支援士が誕生しました。試験は2017年からの開始ですが、「情報セキュリティスペシャリスト試験」および「テクニカルエンジニア試験」の資格を持っている人は、2016年10月21日からの2年間、申請すれば情報処理安全確保支援士に移行することができます。

情報処理安全確保支援士に課せられる義務

必要とされる知識は、読んで字のごとく、サイバーセキュリティに関する知識です。しかし、それら情報セキュリティの世界は日進月歩のため、常に知識をリフレッシュしていかなければなりません。そこで情報処理安全確保支援士は、情報処理分野の資格として初めて、資格維持のために毎年の講習および集合による学習が必要になっています。具体的には、1年に1回6時間のオンライン学習と、3年に1回6時間の集合講習が必要です。

情報処理安全確保支援士は、名称独占の資格です。「○○士」として名乗ることが出来るという点は、最大のメリットと言えます。一方で、他の名称独占の資格と同様、法律上でルールが定められています。その法律「情報処理の促進に関する法律」の秘密保持義務における条文に、「第二十五条 情報処理安全確保支援士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。情報処理安全確保支援士でなくなった後においても、同様とする。」という記述があります。こちらは親告罪ではありますが、情報セキュリティにおいて全責任を負っていると言っても過言ではありません。なお、この条文に違反すると、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。

情報処理安全確保支援士の資格を取得するメリットとは?

前述の講習は3年間で15万円の費用がかかります。情報処理安全確保支援士の資格を取得したからどのような仕事ができるかというと、今まで情報セキュリティ業務にあたっていた人は、以前と仕事の内容が変わらない場合がほとんどです。果たして情報処理安全確保支援士の資格を取得し、更新する意義はあるのか?という点に関しては、現在のところ疑義を呈している人達がいるのも実情です。今後この資格がどのように進んでいくのか、動向が注視されます。