情報処理推進機構とは
情報処理推進機構(IPA:Information-technology Promotion Agency)は、経済産業省所管の独立行政法人です。前身の情報処理振興事業協会が2004年に発展解散した後に組織され、情報セキュリティにおける最重要機関として存在しています。
様々な事業を行っていますが、情報セキュリティにあたる者にとって一番重要な事業が、コンピュータウイルスやセキュリティに対する調査および、それらに関する情報の一元管理です。一般の人から寄せられた脆弱(ぜいじゃく)性の報告などを元に調査を行い、その脆弱性が重大なものの場合は、そのソフトウェアを開発した企業に対して修正の勧告をします。その脆弱性などの情報はIPA内のセキュリティセンターに集められ、報告された脆弱性が広範にわたるものの場合は、セキュリティニュースとして発表も行っています。寄せられた脆弱性1つひとつをナンバリングし、注意度をつけ情報としてWebサイトに掲載することにより、情報セキュリティに対する安全を確保しているのです。時には、その脆弱性によってどのような被害が出たかを共有することもあります。
情報処理推進機構の事業内容
「推進」という文字が入っているとおり、IPAは一般の人たちの情報セキュリティに対して協力をする機関でもあります。具体的には、以下のような事業を行っています。
ソフトウェア開発補助事業
「未踏ソフトウェア創造事業」として2000年に開始されましたが、現在は「未踏IT人材を人材発掘・育成事業」として実施されています。
サイバーセキュリティのスペシャリストの発掘・育成
「未踏IT人材発掘・育成事業」や、サイバーセキュリティ人材を育成するための「セキュリティ・キャンプ」などを主催しています。
情報処理技術者試験の運営
ITパスポート試験や基本情報技術者試験などの試験を運営しています。
IT利用者のセキュリティ意識を高めるためのイベントの運営
情報セキュリティ標語・ポスター・4コママンガコンクールの運営などを行っています。
あくまでIPAは情報セキュリティに関する行政法人であり、ITに関わる全ての事柄を担っているわけではありません。例えば、ドメインを管理しているのは「株式会社日本レジストリサービス」ですし、インターネットの資産管理は「日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)」という社団法人が行っています。必要な情報の確認先を間違えないようにしましょう。