セキュリティ専門家による脅威情報・ニュースをお届けしているトレンドマイクロ セキュリティブログの記事から、2020年2月に公開された記事の中から4本、ご紹介します。

近隣Wi-Fiネットワークを侵害する「EMOTET」の活動を確認

感染端末の近隣にある無線LAN(Wi-Fiネットワーク)に侵入して拡散する「EMOTET(エモテット)」の新しい亜種が確認されました。この拡散手法は、通常スパムメールによって拡散するこれまでのEMOTETの典型から外れています。ただし、EMOTETはこれまでも、その時々に活動を変化させてきた過去があります。EMOTETは、2014年、「TrojanSpy.Win32.EMOTET.THIBEAI」としてトレンドマイクロのリサーチャによって初めて確認されました。当初は、感染コンピュータから個人情報を窃取する「バンキングトロジャン(オンライン銀行詐欺ツール)」でした。EMOTETはこれまで、新型コロナウイルス(2019-nCoV)のような注目のニュースや感謝祭などのイベントに便乗したスパムメールを利用して拡散してきました。EMOTETの感染によって、独フランクフルトのITネットワークがシャットダウンを余儀なくされた事例も報告されています。最近では、話題のニュース記事のテキストを使用して検出回避を図るEMOTETも見つかっています。そして今回、確認されたEMOTETの亜種は、WindowsのwlanAPIインターフェイスの機能を使い、感染端末から近隣のWi-Fiネットワークへ拡散します。
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「偽サイト」を阻止するには? 不正ドメインへの停止措置の取り方と対策

2020年2月14日公開のブログ記事では、ゾーンを監視して特定法人組織のドメインを偽サイトから守る対策方法についてお伝えしました。本記事では、ゾーン監視で不審なドメインを検出した後に実施可能な不正ドメインへの停止措置の取り方について解説します。不正ドメインが悪用されフィッシング被害の影響を受ける企業は、不正ドメインに停止措置を取る必要があります。これによりサイバー犯罪者は不正ドメインを詐欺手口に利用出来なくなります。しかし、どうすれば不正ドメインへの停止措置を取ることができるでしょう。
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「偽サイト」を阻止するには?:ゾーン監視で偽装ドメインの悪用を事前に発見

フィッシングは、インターネット上で最も長くサイバー犯罪者に利用されている詐欺手口の1つです。利用者を特定のWebページやサービスの偽サイトへ誘導し、利用者自らに情報を入力させて詐取します。フィッシングを含め、いわゆるネット詐欺では本物そっくりの「偽サイト」が使用されます。非常によく利用される手口のため、企業や個人ユーザは、認知の有無を問わず、おそらくはこれまでに多くのフィッシングページを目にしていることでしょう。2017年7月27日公開のブログ記事では、利用者がフィッシング攻撃を見抜くためのポイントについて解説しています。しかし、この他にどのような対策を講じれば、偽サイトを使用するフィッシング攻撃を、事前的かつ能動的に検出および阻止できるでしょうか?本記事ではドメイン名の仕組みについておさらいし、ゾーンファイルに含まれた不審なドメイン名の監視により特定法人組織を偽装するフィッシング攻撃を未然に防ぐ取り組みについて解説します。自組織の偽サイトに悩まされている法人利用者の参考にもなるでしょう。
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「SODINOKIBI」被害事例に見るランサムウェアの攻撃手法

2019年に注目された攻撃のいくつかにも登場した暗号化型ランサムウェアに「Sodinokibi(ソディノキビ)」(「Ransom.Win32.SODINOKIBI」ファミリとして検出)があります。このランサムウェアに関して、年末以降に、Albany(オールバニー)国際空港や外国為替会社のTravelex(トラベレックス)をはじめとした複数の組織で被害が確認されました。これらの被害には、法人組織におけるランサムウェア被害と攻撃手法の変化が見られています。
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