セキュリティ専門家による脅威情報・ニュースをお届けしているトレンドマイクロ セキュリティブログの記事から、2019年11月に公開された記事の中から4本、ご紹介します。
変化を続けるマルウェア「EMOTET」の被害が国内でも拡大
メールを主な感染経路とするマルウェア「EMOTET」の被害が、日本国内で拡大しています。EMOTETは2014年から存在が確認されているマルウェアですが、明確に国内利用者を狙ったと言える攻撃は確認されていませんでした。しかし2019年に入り、日本も本格的な攻撃対象に入ってきたものと考えられます。実際、6月には東京都の医療関連組織におけるEMOTET感染による情報流出被害が公表されるなど、被害が表面化してきていました。海外では一時、EMOTETのボットネットのC&Cサーバが休止していたことが観測されていましたが、8月末に活動を再開したことが確認されました。トレンドマイクロでは、国内にEMOTETを拡散するメールの活発化を9月後半から確認しており、10月には検出台数の急激な増加を確認しています。JPCERT/CCも11月27日付で注意喚起を出しており、広範囲に被害が広まっているものと言えます。
【…続きを読む】
「BlueKeep」脆弱性を利用する攻撃・続報
11月12日の本ブログ記事にて、脆弱性「CVE-2019-0708」(通称「BlueKeep」)を利用する攻撃が初確認されたことについて述べました。本記事ではその続報をまとめます。確認された攻撃では、最終的なペイロードとして感染コンピュータにコインマイナーをインストールし不正マイニングを実行するものでした。脆弱性を放置することは直接の被害に繋がります。BlueKeep脆弱性に対する修正プログラムは既に5月に公開されています。自身の管理する環境における更新の有無を再確認し、まだ適用していない環境では直ちに更新を行うことを強く推奨いたします。
【…続きを読む】
ついに「BlueKeep」脆弱性を利用する攻撃が登場、早急な更新を
5月中旬に確認された「CVE-2019-0708」の脆弱性(通称「BlueKeep」)はWindowsのリモートデスクトッププロトコル(RDP)の脆弱性であり、本ブログの記事でもその詳細について解説しています。この脆弱性の危険性については、Microsoftが「WannaCry」のような強力なワームの登場に繋がりかねないとして、既にサポート終了済みのWindows XP以前のOSに対しても更新プログラムを公開したほどでした。そして公表から5か月近くが経過した11月頭、ついにこの脆弱性を利用する攻撃が実際に発生していることが初めて報告されました。この攻撃の存在はリサーチャが運用するハニーポットネットワークのクラッシュにより、観測されたものです。「BlueKeep」脆弱性に関しては既に6月の時点で複数のセキュリティ団体により攻撃方法が確認されており、実際の攻撃は時間の問題とされていました。攻撃に関する報告では、更新プログラムがまだ適用されていない多くのレガシーシステムが、「BlueKeep」を悪用する攻撃キャンペーンのターゲットになっていることが明らかにされており、実被害としては、コインマイナーの侵入による不正マイニングが行われていました。
【…続きを読む】
「ファイルレス」と「モジュール化」を採用した新たなボット型マルウェア「Novter」、感染経路は不正広告
トレンドマイクロは、ファイルレスで拡散する新しいボット型マルウェアを確認し、「Novter(ノブター)」と名付けました。「Nodersok」および「Divergent」という名称でも報告されているこのマルウェアは、サイバー犯罪集団「KovCoreG(コブコア ジー)」の活動の下で2019年3月頃より拡散されてきました。弊社は、Novterの登場以来、積極的にその監視を続ける中で、頻繁な更新を確認しています。
【…続きを読む】