セキュリティ専門家による脅威情報・ニュースをお届けしているトレンドマイクロ セキュリティブログの記事から、2019年2月に公開された記事の中から6本、ご紹介します。
検出回避を狙いExcel 4.0マクロを利用する攻撃を国内初確認
トレンドマイクロでは日夜多くのサイバー攻撃を監視していますが、2月18日以降、Excel 4.0マクロ(XLM)を使用したメール経由のマルウェア拡散を確認しています。これは古いマクロ形式を使用することでセキュリティ対策製品からの検出回避を狙う手法であり、日本の利用者への攻撃としては初めて確認したものです。
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「顔文字」、「LoveYou」スパムの背後に凶悪スパムボット、ランサムウェア遠隔攻撃も実行
1月11日の記事でもお伝えしている通り、2019年に入ってから日本向けにランサムウェアをばらまくマルウェアスパムの攻撃が発生、継続しています。当初は件名と本文は「:-)」などの「顔文字」のみとなっていましたが、件名はほどなく「I Love You」、「My love letter for you」などの英文に変化しました。そのため一般には「Love Youランサムスパム」などとも呼ばれているようです。その後1月末ごろからは「Kyary Pamyu Pamyu ;)」、「Sheena Ringo ;)」などのように日本の女性芸能人の名前を入れた件名も確認されており、日本を攻撃対象に定めて様々な手口を試しているように思えます。ただしいずれの件名にせよ、添付ファイルを開くと最終的にランサムウェア、不正コインマイナー、そしてスパムメール送信に使用されるスパムボットに複合感染する危険なものとなっています。トレンドマイクロではこの危険なマルウェアスパムの調査を進め、その送信を司っているスパムボット「Phorpiex(フォルピエックス)」の存在を確認しました。そして更なる調査の結果「Phorpiex」は、一般的にスパムメール送信を主な活動とするスパムボットの枠を外れ、それ自体が遠隔からランサムウェアなどのマルウェアを感染させる凶悪な攻撃などを行う危険なものであることがわかりました。
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「Trickbot」がリモートデスクトップアプリの認証情報を窃取する機能を追加
トレンドマイクロは、2019年1月、「pwgrab」モジュールの追加によりリモートデスクトップアプリの認証情報を窃取する機能を備えた「Trickbot」の新しい亜種(「TrojanSpy.Win32.TRICKBOT.AZ」および「Trojan.Win32.MERETAM.AD」として検出)を確認しました。対象となるリモートデスクトップアプリは、「Virtual Network Computing(VNC)」、「PuTTY」、「Remote Desktop Protocol(RDP)」です。
Trickbotは元はシンプルなバンキングトロジャンでしたが、モジュールの追加により新しい機能を追加することで変化を続けてきたマルウェアです。最近では、2018年11月に、さまざまなアプリケーションやブラウザからパスワードを窃取する亜種が確認されています。
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MacでEXEファイルを実行する攻撃を確認、端末情報を窃取しアドウェアをダウンロード
トレンドマイクロは、MacでEXEファイルを実行する攻撃を確認しました。EXEはWindowsで正式に利用されている実行ファイルの形式で、macOSやLinux OSで実行してもエラーが表示されるのみです。そのため、基本的にはEXE形式のマルウェアはその他のOSに感染することはありません。
しかし、今回確認されたマルウェアは、Windowsのアプリケーション実行環境「.NET Framework」をさまざまなプラットフォームに提供するフレームワーク「Mono」を利用してEXEファイルを実行していました。「Gatekeeper」のようなMacに組み込まれたセキュリティの仕組みはMac用のファイルのみを対象とするため、EXEファイルを利用することによりそのようなセキュリティを回避しデジタル署名のチェックを逃れることが可能です。
特定のパターンは見られていませんが、感染数の多い国は、英国、オーストラリア、アルメニア、ルクセンブルク、南アフリカ、米国となっています。
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トレンドマイクロ製品を詐称する「偽警告」を確認
1月30日の本ブログ記事でも取り上げた「偽警告」ですが、その後も継続が確認されています。このように何度も繰り返されている常套手段的な攻撃は、継続の過程で様々な変化を伴うことがあります。その変化の一つとして、今回は正規セキュリティソフトを偽装する手法、特に弊社トレンドマイクロ製品の検出を偽装するものも確認されました。トレンドマイクロ製品では利用者の操作無くWeb上で自動的にウイルス検索を行うような機能はありませんのでご注意ください。
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Webアプリの脆弱性を利用するボット型マルウェア「Yowai」および「Hakai」を確認
トレンドマイクロは、主に中国で利用されているWebアプリケーション開発フレームワーク「ThinkPHP」で遠隔からのコード実行(Remote Code Execution、RCE)が可能になる脆弱性が、Miraiの新しい亜種「Yowai」および「Gafgyt」の亜種「Hakai」によって利用されていることを確認しました。これらのマルウェアは初期設定の認証情報を利用した辞書攻撃や脆弱性攻撃によって侵入し、感染したデバイスをボット化して「分散型サービス拒否(distributed denial-of-service、DDoS)攻撃」に利用します。YowaiおよびHakaiによる攻撃の急増が2019年1月11日から17日にかけて確認されています。
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