セキュリティ専門家による脅威情報・ニュースをお届けしているトレンドマイクロ セキュリティブログの記事から、2018年12月に公開された記事の中から5本、ご紹介します。


機能追加を続ける「TrickBot」、POSシステムを狙う新しいモジュールについて解説

トレンドマイクロは、「TrickBot」が、「販売時点情報管理(Point of Sales、POS)」システムを狙う新しいモジュールを追加したことを確認しました。TrickBotは元はシンプルなオンライン銀行詐欺ツール(バンキングトロジャン)でしたが、モジュールの追加によりさまざまな機能を追加してきたマルウェアです。最近では、2018年11月に、パスワード窃取モジュール「pwgrab32」が追加されたことを報告しました。本記事では、今回新たに確認されたPOSシステムを狙うモジュールについて解説します。この新モジュールは、感染PCが接続されたネットワークをスキャンし、POSに関連したサービスや機器を検索します。
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SOHO 用ルータを狙う新しいエクスプロイトキット「Novidade EK」を確認

トレンドマイクロは、SOHO(小規模または自宅事務所)用ルータを狙う新しい脆弱性攻撃ツール(エクスプロイトキット、EK)「Novidade EK」を確認しました。Novidade EK は、ユーザがすでにログインしている Web アプリケーションを介してクロスサイトリクエストフォージェリ(Cross Site Request Forgeries、CSRF)攻撃を実行し、ルータに接続された機器やデスクトップ PC からルータの Domain Name System(DNS)設定を変更します。ユーザが標的ドメインにアクセスすると、当該ドメインへのトラフィックが不正サイトの IP アドレスに名前解決され、攻撃者が管理するサーバにリダイレクトされます。
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Word文書のオンラインビデオに、不正なURLを隠ぺいする手口を解説

2018年10月下旬、セキュリティ企業「Cymulate」のセキュリティリサーチャは、Microsoft Officeのオンラインビデオの埋め込み機能を攻撃者に悪用された場合にマルウェアの拡散が可能になる概念実証(Proof of Concept、PoC)を発表しました。トレンドマイクロは、実際にこの手法を利用して、情報窃取型マルウェア「URSNIF(アースニフ)」(「TSPY_URSNIF.OIBEAO」として検出)を拡散するマルウェア(「TROJ_EXPLOIT.AOOCAI」として検出)を、オンラインスキャンサービス「VirusTotal」で確認しました。
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「テレワーク」が法人ネットワークの新たな弱点に:2019年の脅威動向を予測

2018年を通じ、世界的にフィッシング詐欺の攻撃が急拡大しました。また、7月前後からはメールの文面のみで脅迫する「簡略版セクストーション」スパムも登場し、世界各国で被害を与えました。トレンドマイクロでは、こうした最新の脅威動向や IT技術を取り巻く市場動向を基に、来年2019年のセキュリティ脅威予測を行いました。

■2019年のセキュリティ脅威予測
2018年までの脅威動向や市場動向を踏まえ、セキュリティの脅威がどのように変化していくのかについて、トレンドマイクロでは以下のカテゴリに対する予測を行いました。

・個人利用者
・企業・法人
・社会・政治状況
・セキュリティ
・産業制御システム
・クラウドインフラ
・スマートホーム
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マシン・ツー・マシン(M2M)技術における設計および実装上の脆弱性

トレンドマイクロは、David Quarta氏と共同で執筆したリサーチペーパー「The Fragility of Industrial IoT’s Data Backbone: Security and Privacy Issues in MQTT and CoAP Protocols」において、マシン・ツー・マシン(M2M)の通信プロトコル「MQTT」および「CoAP」に関する調査結果を公開しました。「MQTT」は産業用アプリケーションにおいて、「CoAP」はIoTや産業用IoTのデバイスにおいて、広く採用されているプロトコルです。攻撃者は、これらのプロトコルの設計および実装上の脆弱性を利用することにより、対象デバイスを「Denial of Service(DoS、サービス拒否)」状態に陥れることが可能になります。また、今回の調査を通して、設定に不備のある数十万台のホストが、認証情報、機密情報および産業に関連した処理データを露出していることも確認されました。
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