セキュリティ専門家による脅威情報・ニュースをお届けしているトレンドマイクロ セキュリティブログの記事から、 2018年11月に公開された記事の中から4本、ご紹介します。


日本語化される法人向け詐欺と個人への脅迫、2018年第3四半期の脅威動向を分析

トレンドマイクロでは2018年第3四半期(7~9月)における国内外の脅威動向について分析を行いました。2018年に入り世界的に「フィッシング詐欺」の攻撃が急増しましたが、同様の「人をだます」手法の拡大が見られています。特に日本では、ビジネスメール詐欺やばらまき型の「簡略版セクストーション」で「日本語版」が確認されるなど、世界的な「詐欺」と「脅迫」の手法の流入事例が相次ぎました。
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Pawn Stormによる攻撃キャンペーンを日本国内でも確認

トレンドマイクロでは以前から「Pawn Storm(別名:APT28、Sofacy、Sednit、STRONTIUM、Fancy Bear等)」として知られる攻撃者グループを調査しており、今年1月のブログ記事などでその活動を報告してまいりました。今回2018年10月中旬以降、この攻撃者によるものと考えられる攻撃キャンペーンを確認しました。

該当の攻撃では、11月初旬より日本国内の複数の組織に対して、英語文面による不審なメールが送信されています。弊社にて、それらのメールの添付ファイルを詳細に調査したところ、Pawn Stormが用いるバックドアとして知られる「Zebrocy」(ゼブロシー)の感染へと至ることを確認しました。トレンドマイクロではこれまで、Pawn StormがNATOや東欧を標的にしてきたことを報告していますが、その攻撃対象に日本も追加されたものと考えられます。
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日本のユーザを狙うスパムメール送信活動を確認、ステガノグラフィを利用し「BEBLOH」を拡散

トレンドマイクロは、2018 年 10 月 24 日、オンライン銀行詐欺ツール(バンキングトロジャン)「BEBLOH」を拡散する短時間のスパムメール送信活動を確認しました。検出された 185,902 件のスパムメールは、その 90% 以上が日本語話者を対象としていました。今回確認されたスパムメールは、2018 年8月上旬に確認された、Internet Query (IQY) ファイルおよび PowerShell を利用して「BEBLOH」およびバンキングトロジャン「URSNIF」を拡散するスパムメールと同様に、ボットネット「CUTWAIL」によって送信されたと見られています。
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医療機関が見落としがちなセキュリティリスクとは?

医療機関では、患者の個人情報や医療記録といった沢山の機微な情報を取り扱っていますが、こうした情報はサイバー犯罪者にとって格好の標的となる可能性があります。例えば、患者の個人情報をそのままアンダーグラウンド市場で売買したり、また情報を悪用すれば、さらなる詐欺行為を行うことが可能になるなど、サイバー犯罪者はさまざま方法で利益を得ることができるためです。また、機微な情報だけがサイバー犯罪者の狙いではありません。医療機関のネットワークに攻撃を仕掛け、医療機器やシステムの動作を不安定にし、患者の命を危険にさらすことで、身代金を要求するといった手口も想定されるでしょう。

2018年も国内の医療機関において、様々なセキュリティインシデントが発生しており、医療機関では自組織のネットワークのセキュリティリスクを把握した上で、セキュリティ対策の強化を検討していくことが求められています。
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