セキュリティ専門家による脅威情報・ニュースをお届けしているトレンドマイクロ セキュリティブログの記事から、2018年3月に公開された記事の中から3本、ご紹介します。


2018年にサイバー犯罪者が狙う最大の標的は「仮想通貨の発掘」?

仮想通貨のマイニング(発掘)を狙うサイバー犯罪者による攻撃は、ランサムウェアに代わるような脅威になるでしょうか。仮想通貨の人気と実世界における重要性の高まりにより、サイバー犯罪者も仮想通貨に大きな関心を抱いています。変化する脅威状況の中で仮想通貨の発掘を狙う攻撃は、以前のランサムウェアのような勢いで急拡大しています。2017年に家庭用ルータに接続した機器で検出されたネットワークイベントの中で最も多いイベントが仮想通貨の発掘活動だったことは、サイバー犯罪者に限らず、仮想通貨の発掘に注目が集まっていることを示す一例と言えます。
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GitHubに1TBps超の攻撃、「memcached」を利用する新たなDDoS手法を解説

2018年2月末に報告された増幅型の「分散型サービス拒否(distributed denial-of-service、DDoS)攻撃」で、分散型メモリキャッシュシステム「memcached」を利用する新しい手法が確認されました。DDoS攻撃で利用されるプロトコルといえば「Domain Name System(DNS)」、「Universal Plug and Play(UPnP)」、「Session Description Protocol(SDP)」、「Network Time Protocol(NTP)」などが一般的です。しかし、memcachedを利用すると、過去に確認されたDDoS攻撃よりもはるかに大規模な攻撃を実行される恐れがあります。memcachedはデータベースへのアクセスに関連した冗長な処理を削減することでデータへのアクセスを高速化しますが、残念なことにこのようなmemcachedの特徴がDDoS攻撃の増幅にも威力を発揮することが確認されました。
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「Meltdown」および「Spectre」を狙う攻撃の検出手法を検証

CPUの重大な脆弱性「Meltdown」および「Spectre」を利用した実際の攻撃はまだ確認されていません。しかし、「Proof of Concept(概念実証、PoC)」が公開されており、これらの脆弱性を狙う攻撃の実験によるものと推測される不審なファイルの検出も報告されています。このような状況を踏まえると、問題の脆弱性を利用した攻撃が確認されるのも時間の問題と言ってよいでしょう。MeltdownおよびSpectreの影響範囲は広く、1995年以降に作成されたPCが影響を受けると言われています。また、この2月にはそれまで認識されていた以外の攻撃方法も確認され「MeltdownPrime」および「SpectrePrime」と命名されるなど、攻撃危険性が高まっています。侵入した環境でメモリ上のデータへの不正アクセスを可能とするこれらの脆弱性は重要情報の窃取を目的とした攻撃で使用される可能性が高く、ヨーロッパ連合(EU)が個人情報の保護を目的として制定した「一般データ保護規則(General Data Protection Regulation、GDPR)」の対象企業にとっては特に頭の痛い問題となり得ます。
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