社内のシステムやインフラの整備は、基本的に利益を生み出さない仕事とみられています。そのため、中小企業では、システムアドミニストレータ(以下シスアド)として社内の専任のオペレーターとして割く人員を少なく設定することがほとんどです。数百人規模の企業であっても、専任の情報を扱う技術者は一人しかいない、という場合も多くあります。
しかしながらその責任は大きく、社内でどんな仕事が行われているのかを見極め、会社の中枢を担っていくことになります。初めて【ひとりシスアド】として任命された人は、そのように成長していくことを望まれているということです。
ひとりシスアドに求められる能力とすべきこと
技術的な知識ももちろんですが、仕事を行う上での戦略性も重要な要素です。社内のネットインフラの整備を行うにあたり、事象を個別に判断して最適なツールや設備を用意し、フローチャートにのっとって誰でも機械的にこなせるような状態を作り上げることを、戦略的に行っていく必要があります。「誰でも機械的にこなせるように」という点が重要で、例えばアルバイトなどに託しても滞りなく作業できるようにすることが目標になります。
そのような基本的な業務を任せている間にシスアドは何をすべきかというと、社内インフラの技術的な部分を検討したり把握したりするために時間を使うことが考えられます。例えば社内インフラに発生した不具合の解消であったり、新しいシステムの検討であったり、社内インフラでの問題や改善は日々行っていきましょう。また、ITリテラシーが社内にしっかり浸透しているか、浸透していなければどのように社員への教育を進めていくかの検討を行っていく必要もあります。ITリテラシーが低い社員が一人でもいれば、情報漏洩(ろうえい)やコンピュータウイルス感染などのリスクが高くなってしまうからです。
最後に
一人で情報管理を担っていると、問題があっても誰にも相談できず、抱え込んでしまうような事態に陥りがちです。社内に相談できる人がいない場合は、相談先を探しておくことも考えましょう。